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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.5 命名「マナ」!

2012.8.9

展示プールデビューを目指し、練習を開始した子ラッコ。移動や餌の食べ方もスムーズになり、滞在時間も徐々に延ばしていきました。でも、それは飼育員がそばにいるからで、ひとりになると不安そうに鳴き出します。

展示プールで餌を食べる子ラッコ

子ラッコが展示プールで過ごしている間は館内の観覧面側から、少し離れた場所でなるべく姿を見せないように観察しています。
通常だったら生後5ヶ月頃はお母さんの手を振り切って遊びたがり、何にでも興味を持つ時期ですが、子ラッコの場合は自分からではなく、親代わりの私たちの方から離れていかなければなりません。大きな声で鳴く子ラッコと迎えに行きたい気持ちをぐっとこらえる係員。どちらも葛藤です。

繁殖プールの前で帰りを待つ子ラッコ

そんな中、練習を始めて13日目の7月8日にアクシデントが起きました。なんと、左前あしの先から出血が!また、ひとりでいることの不安からか、グルーミングの回数が少なく、毛皮の状態も悪くなったため、練習は一旦中止し、繁殖プールで治療に専念することになりました。今までも環境が変わる度に何かしらの不調を訴えてきた子ラッコ。その度にいつも誰かがそばにいてサポートしてきました。環境の変化に敏感なことは分かっていたはずなのに、今回は展示プールに早く慣れてもらいたいという思いから、いきなりひとりにしたことが精神的にもダメージを与えてしまったんじゃないかと反省しています。その後、投薬と消毒、軟膏の塗布により傷はずいぶん良くなり、7月24日から練習を再開。前回の反省を活かし、今度は展示プール内に飼育員が付き添うことにしました。

展示プール内 タオルでグルーミング

また、お客様からの公募により、名前が『マナ』に決定。母親『マリン』と父親『ナダ』から一文字ずつもらったこの名前はダントツの応募数でした。
『マナ』のかわいい姿を一日でも早く、多くのお客様にご覧いただけるように体調や安全面に気をつけながら練習を進めていきます。

著者プロフィール

土井 翠(土井 みどり)

佐賀県出身。1997年4月 マリンワールド海の中道に入社。
同年7月に展示部海洋動物課に配属後、アシカ・アザラシ・ラッコの飼育業務やショー運営を行い、現在に至る。
動物たちは我が子のようでもあり、友達でもあり、一緒に仕事をする大事な仲間。

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