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Vol.7 新たなショーを創る!~ザ・パロッツ おしゃべり編~

2013.3.26

2013年グランドオープン(3月16日~)から那須どうぶつ王国では「ザ・ドッグ」と「ザ・パロッツ」の二つのショーが新たに開催されます。なんと毎日7種類ものショーがあるんですよ♪ぜひ、楽しんでくださいね。

「ザ・ドッグ」は、犬の高い身体能力をアジリティやディスクキャッチを見ることが出来るパフォーマンスショーです。ハンドラーと楽しそうにいきいきと動く姿は、見ている観客までも楽しい気持ちにしてくれます♪

何枚ものディスクを使った連続キャッチ、フリースタイル。犬の能力の高さは圧巻!

「ザ・パロッツ」(パロッツとは、英語でインコやオウムたちの事)は、インコやオウムが登場し可愛い声でのおしゃべりや、きれいな羽を羽ばたかせたフライトシーンを堪能できるパフォーマンスショーです。インコやオウムのことをあまり知らない方も、少し苦手な方も、このショーを見ればきっと!インコやオウムたちが、大好きになりますよ♪

ザ・パロッツに登場する色鮮やかなインコたち♪

そこで、今回は『新たなショーを創る!!』というテーマで、お話します。

以前vol.5「the cats」でも、お話しましたが那須どうぶつ王国のショーは構成・MC・音響・備品・装飾・衣装…などショーに関する事すべてをトレーナーが行います。

3月16日からからスタートした「ザ・パロッツ」の場合、『インコやオウムと友達になろう!』というのがテーマです。仲良くなるには、彼らの魅力を知らなくてはなりません。おしゃべりをしたり、ダンスしたり、美しく飛んだり…ここでは書ききれないくらいの魅力あふれる動物なんです。それを、このショーで見て、感じて、学ぶ!というのがストーリーです。

ショーでは、色々なアクティビティを披露してくれますが、さて。いったいどうやって教えているのでしょうか?インコやオウムたちの場合で、考えてみましょう。

まずは、おしゃべりについてです。
大型インコやオウムの仲間たちは、特に知能が高いといわれています。体の割合に対して脳が大きく、犬よりも頭がいいとも言われます。なので、複雑な長い文章も覚えて話すことが出来ます。
しかも!そのシュチュエーションも覚えます。例えば、毎日電話がなって飼い主が「もしもし」と言うとします。すると、インコは「電話が鳴るとこの人はもしもしって言うんだ!」と学習し、電話がなると先に「もしもし!」というようになったりします。しかも、電話のコール音の真似を自分でして、自分でもしもしって言っちゃうとか。笑

ヨウムやボウシインコの仲間は特におしゃべりが得意なので、よく音マネをします。電話のコール音は、彼らにとって真似ることは楽勝です。(ちなみに人間は声帯がありますが、鳥に声帯はありません。口の奥から空気を出してその量を微妙に調節してだしています。すごいですよね。)

ヨウムは、おしゃべりが大得意!

ある日「プルプルプル…」と電話のコール音を真似して遊んでいたら、飼い主は電話と思い駆けつけます。
すると、インコはこう思うのです。「電話の真似をしたら大好きな飼い主さんが来てくれた!」
このインコは、この時に強化(大好きな飼い主が来た!という報酬を得た状態)されたので、ますます電話の真似をするのです。

この行動をいかしておしゃべりを教えるとすると…
毎日「こんにちは!」と聞かせます。くり返し聞かせていると、インコはその言葉を覚えます。
一人ぼっちにしているとしゃべりだすことがあるので、その時に「上手だねー!!!」と言いながら駆け寄りご褒美を与えます。(インコやオウムは一人の時のほうがよくしゃべります。叫んだり、しゃべることで、飼い主の気を引きたいので。)するとその言葉を言う頻度が徐々に上がってくるので人がいるときでも褒められることを学習したインコはおしゃべりするようになります。

その他にも、おしゃべりを教える場合効果的なモデリング法と言う方法もあります。
これは、名前の通り「モデル」である第三者を見て学ぶ。ということです。(他のインコが出来る場合は、そのインコとハンドラー。他のインコが出来ない場合は、人同士で。)
Aさん:朝は?
Bさん:おはよう
という感じです。このシュチュエーションをくり返し見たインコは「Aさんが朝は?って言った後Bさんは、おはようって言うんだ」と学習します。インコはやきもちをやくので、飼い主さんの気持ちが自分に向いていないと感じると、間に入ろうとしゃべる行動をするかもしれません。もししゃべったらそこで報酬を与えます。

ちなみに、インコやオウムにとって「大好きな人が近くにいる」事自体が強化子になっています。
(強化子とは、その個体にとって報酬になるものです。(おやつ、おもちゃ、褒めてもらう事、さわってもらうこと等…その子によって違います)
動物種によって、その強化子も様々なのでトレーニングの際は、注意しなくてはいけません。
なぜなら、こっち(ハンドラー側)にとってご褒美のつもりでいても、それが強化子になるどころか嫌悪刺激(不快なもの)になっていることもあるからです。それを、続けてしまうと伸ばしたい行動はどんどん抑制されて最終的には全くやらなくなってしまいます。)
例えば、間違っている言葉なのに飼い主が喜んでいる動作を見せたとしたら…「違うでしょ~、もう~」といいつつも頭をなでなでした日にはもう!逆効果です。インコは、褒めてもらったと勘違いし、この言葉をますます言うようになるでしょう。

アオボウシインコのステイシー。ボウシインコの仲間もおしゃべりが得意!

インコにおしゃべりを教えることは、このように日々の積み重ねといえます。根気よくくり返し教えることが何より大切で、あきらめかけたその日にいきなり話しはじめる…なんてこともよくあります。笑

あとは、教えようとしてない言葉を覚えてしまいますので、注意が必要です。
(うちのルリコンゴウインコは、掃除の際ケージを持ち上げる時に私が「よいしょ」というのを、学習し持ち上げる動作をすると先によいしょ!というようになりました…(-д-;) )

よいしょ!というようになった。というか、なってしまったラドンと私。言葉には気をつけましょう。笑

次回は~ザ・パロッツ アクティビティ編~で、インコのバンザイの教え方を紹介します。

著者プロフィール

高井梢 (たかい・こずえ)

1984年12月8日 B型 
大阪コミュニケーションアート専門学校卒業
東京生まれ、大阪育ち
ショー解説では標準語 プライベートでは関西弁を操る
小さな頃から「動物園のお姉さんになる」のが夢で、現在はレッサーパンダ・カピバラ・インコ オウム類の飼育管理と、ネコとインコのショーの主任トレーナーとして日々奮闘中
「人と動物の懸け橋になる!」が永遠のテーマ

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