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Vol.20 ダイズの偽妊娠

2014.8.31

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レッサーパンダは、12-2月頃の冬に発情期を迎え、交尾します。約90-150日の妊娠期間を経て6-7月に出産します。
妊娠期間に90-150日間と、大きく幅があるのはレッサーパンダが『着床遅延』する動物だからです。
一般的には、メスの体内に精子が入ると受精が起こり、受精卵となって着床します。
着床遅延とは、受精後の着床を遅らせる事で出産時期を調節する事です。
レッサーパンダには、着床遅延があるために、6月生まれがとても多いです。
そのため、飼育員は、ペアにしているレッサーパンダがいる場合6-7月は「そろそろ産んだかな…どうかな…」という思いで毎日過ごします。

那須どうぶつ王国では、2013年に二頭の赤ちゃんが誕生しました。
お母さんのダイズは、せっせと巣材を運び巣箱の中は竹でいっぱいでした。
そして2014年。ダイズは今年もせっせと巣材を運び、去年以上にふかふかの巣箱を仕上げていました。体重も、出産時と同じ推移であったり、ホルモン数値も上昇していることから、出産の可能性があると判断しました。

2013年の巣箱

2013年の巣箱

2014年の巣箱

2014年の巣箱

しかし、待てど暮らせど産みません。
今回は偽妊娠だったようです。

偽妊娠とは、妊娠していないのに、妊娠した状態とそっくりの様子になる事です。レッサーパンダに限らず、他の動物でも起こります。
今回ダイズも、お腹が丸みを帯びてきたり、巣材を運び出産準備をしていました。

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今回は出産に至らず残念でしたが、昨年出産した時のデータと今年偽妊娠だったデータを今後の繁殖に活かしていきたいと思います。

著者プロフィール

高井梢 (たかい・こずえ)

1984年12月8日 B型 
大阪コミュニケーションアート専門学校卒業
東京生まれ、大阪育ち
ショー解説では標準語 プライベートでは関西弁を操る
小さな頃から「動物園のお姉さんになる」のが夢で、現在はレッサーパンダ・カピバラ・インコ オウム類の飼育管理と、ネコとインコのショーの主任トレーナーとして日々奮闘中
「人と動物の懸け橋になる!」が永遠のテーマ

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