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Vol.45 王国の冬を迎えるためには・・・

2018.11.15

11月に入り、少しずつ冷え込んできましたね。
日中は暖かい日もありますが、だんだんと冬が近づいて来ているなぁと少し気分落ち込み気味のクニミです(;´∀`)
いや~、雪の国那須どうぶつ王国に来て9年目になりますが寒いのはやっぱり苦手です。
毎年冬を迎えるのが怖くてしょうがないです( ;∀;)
でも、動物たちのためにそんなことも言っていられないので今年の冬も頑張りますよー!!

さて、知っている方もいるかもしれませんが、王国の冬は半端ないほど寒いです。
どれくらい寒いかというと、雪の国代表、北海道出身のスタッフが北海道より寒い!というくらい・・・
デッキブラシで掃除をしているとその先から凍っていくほど・・・
凍っている魚を解凍しようと外に出すより冷蔵庫に入れている方が解凍できるくらい・・・
それくらい寒いんですっっっ!!
今回はそんな寒~い王国の冬を迎えるために何をしなくてはいけないかというお話です(*^-^*)

私たち人間は体が冷えないように、暖かい肌着やダウンを着たり、ネックウォーマーをしたり帽子を被ったりしますよね。
ですが、動物たちは上から洋服を着こむことはありません。
もちろん動物種によっては、“夏毛”からもこもこの“冬毛”に生え変わり冬に備える動物もいます。
ですがそうではない動物たちは・・・??
「食欲の秋」なんて言いますが、秋は寒い冬から身を守るためにたくさん食べて脂肪を蓄えておかねばならない季節なんです。
特に那須の気候は、他の地域より冬が長く、寒さが厳しいのでこれがすごく重要になります。
たくさん食べて脂肪を蓄えていないと、体を温めることにエネルギーを使い、寒い冬にそこから太ろうとしてもなかなか太ることはできません。
体が細い状態の時に、もしも病気にかかったらどうなるでしょう?
体を温めることにエネルギーを使い、病気を治すことにもエネルギーを使いたいのに足りない・・・
最悪の事態にもなりかねません。
そんなことにならないためにも、秋のうちに体を作っておかなくてはいけないのです!!

冬を迎える前に私たち飼育係は具体的に何をしているのかというと、まずは動物の体重を知ることが大事です。
飼育係も年数や経験を積めば、見た目で痩せてきたことや太ってきたことが分かりますが、中にはそれが分かりにくい動物もいます。例えばもこもこの毛が生えている動物(アルパカなど)は、見た目はもこもこしているので太っているように見えますが、意外と痩せているなんてことがあります。
また、飼育動物を同じ飼育係がずっと世話をするとは限りません。
そこで一つの目安となる体重のデータはとても大切になります。
動物種にもよりますが基本的に毎月体重測定をし、前の月からの変化を確認、把握します。
そして体重の増減によって、餌量を少しずつ調節します。
この基本的な体重と餌の管理に加えて、冬に向けてどのくらい体重や体型を整えていけばいいのかということをみていきます。

昨年の今頃は何キロくらいあったのか?
この後冬になった時どのように変化していくのか?
年齢も含めてどれくらいの体重や体型がベストなのか?などなど・・・
また、与えている餌は今の物がベストなのかという見直しもします。
冬に向けて脂質の高い餌を与えたりもするのです。
そして体重の数字だけではなく、触れる動物なら実際に触って体の肉付きをチェックします。
触れない動物種は飼育係の毎日の観察がとても重要です。
・・・とこんなふうに秋は気温の変化を見ながら冬に向けての良い体型にしていくというわけです。

さて、今年の冬はどれくらい雪が降るのでしょうか?
皆で元気に春を迎えられるようにモリモリ食べましょ~!!
秋になり冬に向けての準備をしながら、動物種、それぞれの年齢、個々の体質、季節の変化、その時その時で動物たちとの接し方や管理が変わってくることを楽しみながら飼育係をやっている9年目の秋なのでした・・・

著者プロフィール

国見知里 (くにみ・ちさと)
1989年8月2日生まれ
出身校:大阪コミュニケーションアート専門学校 動物園・動物飼育専攻
神奈川県横浜市出身、中学は高知県、高校から専門は大阪で過ごす。
ショーやパフォーマンスを通じて沢山の人に動物の魅力を伝える!がモットー。
チャームポイントは笑顔!!

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