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Vol.32 誰のもの・・・?

2016.10.15

こんにちは!
夏休みも秋休みも終わって最近はゆったりまったりな日々の王国です。
そろそろ冬の準備も始めないといけないですね!!

突然ですが皆さんこれ!誰の何かわかりますか?

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これは「ペリット」というもの。
ペリットとは、肉食鳥や魚食鳥が口から吐き出す不消化物のこと。
中身は骨や爪、くちばし、うろこなどの硬いもの、外側は羽毛や食物繊維などの柔らかいものでできています。
上にあげたのは、王国のバードパフォーマンスショーで活躍している白頭鷲(ハクトウワシ)ウィンティーの出したペリットです。

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中身を割いて見てみると・・・骨はあまり見当たらないですね~
ウィンティーはウズラ(骨、羽入り)と馬肉と鳥の胸肉を与えているので、こんなペリットが出てきます。

もう一つゲットしたのでご紹介~♪

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今度は骨ばっかり!このペリットはミルキーワシミミズクの蘭ちゃんが吐き出したもの。
蘭ちゃんはウズラ(骨、羽入り)のみ与えているので、骨を多く吐き出しています。

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広げてみるとこんな感じ・・・
骨骨骨!!
ウィンティーとこんなにも違うのか!?とペリットを見るとその鳥が何を食べて過ごしているか分かって面白いですね(*^-^*)

さて、ここからが本題です!!
恥ずかしながら2年前までの私はこのペリット、猛禽類だけが吐き出すと思っていたんです。というかペリットを吐き出すのが猛禽の他にいるのかな?と考えたことすらなかったのです。
私が猛禽類を担当していた新人1~3年目までの期間、ほぼ毎日のようにこのペリット当たり前のように見ていて、他に担当していた鳥類(インコやペンギンなど)は出さなかったので勝手に猛禽類だけが出すもんなんや~なんて思っていました。
でもね、違うんですよ。

この下の写真、誰のものかわかりますか?

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これペンギンビレッジにいる「インカアジサシ」が吐き出したペリットなんです。

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この鳥がインカアジサシ。

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広げてみるとこんな感じ
王国のアジサシはキビナゴとアジ、オキアミを食べているので中身は魚の骨とうろこ、それから自分たちの羽もたまに混じっています。
当たり前ですが、やはり食べているものでペリットって全然違うんですね~

2年前インカアジサシの飼育管理をするようになった時、なんだこれ~??
と驚いてプチ感動したのを覚えています。
展示場の掃除に入ると部屋の隅にキラキラ光る小さな丸いもの。
ビー玉?な訳ないない。アクリルの塊??ゴミの塊??
触ってみるとトゲトゲしていて、なんか固い・・・
ちょっと力を入れると、お!崩れた・・・
よく見ると、ん?魚の骨??
え?なにこれ~!!ペリットや~ん!!っていうか骨ちっさ!!
といった感じでした(笑)

この後、国王にこれはペリットですか?と確認を取る私。
ペリット以外の何がある。そんなことも知らないのか。もっと勉強しろ。
と言われてしまいました・・・(´-ω-`)
そうですよね。本当に勉強不足だな、と感じたときでもありました。
この飼育の仕事、本当に勉強、学びの毎日です。
動物に教わることがたくさんあります。
それは生態や形態はもちろん、母親が子供を守る姿だったり、いじめられてもくじけなかったり、お年寄りでも私たちに甘えたくて息を切らしながらでも走ってきたり、生きる力を学ばせてもらっている気がします。
ありがたいですね。
そんな動物たちを飼育する者として、動物たちから教わるものだけじゃなく、もっともっと知識も増やして動物たちの生活環境をよくしたり、皆さんにも伝えられることが一つでも増えるようにしなければな。なんて考えている所です。

ちなみにこのペリット、猛禽類とアジサシの他に、サギ類やモズ類など300種類以上の鳥が吐き出すことが知られています。
こんなにたくさんいるなんて・・・
まだまだ学ぶことがどうやらたくさんありそうですね♪

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著者プロフィール

国見知里 (くにみ・ちさと)
1989年8月2日生まれ
出身校:大阪コミュニケーションアート専門学校 動物園・動物飼育専攻
神奈川県横浜市出身、中学は高知県、高校から専門は大阪で過ごす。
ショーやパフォーマンスを通じて沢山の人に動物の魅力を伝える!がモットー。
チャームポイントは笑顔!!

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