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Vol.16 トカゲとカナヘビ

2013.9.11

 夏休みも終わり秋に向かう季節はなにやら寂しさもありますが、田んぼの方に目を向けると収穫の季節の色合いを強め、自然界の方はわれわれの心とは裏腹ににぎわいを見せています。こんな光景に赤とんぼが飛び交うと我々の気持も秋はいいものだと実感できるようになってきます。

 しかしその裏では夏の虫たちは静かに姿を消して行っているのです。足元に目を向ければ子供たちを楽しませてくれた虫たちが静かに土に帰ろうとしており、やはり秋とは寂しさと隣り合わせのようです。

 そんな夏の虫、秋の虫と共に見つけたのはトカゲでした。トカゲと言っても何種類もいるのですが、本州では3種類生息しています。ニホントカゲと姉妹種ヒガシニホントカゲとニホンカナヘビです。一般にはどれも単なると同一種のトカゲと思われたり、別種と知っていても正しく違いがわからないのが普通ではないでしょうか。なんと言っても動きが早くて特徴がわかりにくかったりします。そこで今回ニホントカゲとニホンカナヘビを紹介してみたいと思います。写真ならば簡単に違いに気がつくはずです。

 ある日のことです。一匹のカナヘビがいも虫をくわえていました。こんな時は捕食行動に全神経を集中させるためか人への警戒心が極めて低くなるようです。そんなことに感心しつつも綺麗事では成り立たない自然界の厳しさを目の当たりにし、やはり人間は謙虚に生きなければと思ってみたりしたのでした。

実際には夏でも見られる赤とんぼだが、こんな光景はやはり秋の風情が漂う。

のどかな光景の最後の田んぼを境界線に人とどうぶつの棲み分けラインということか。裏山に入ると一転して原生林的景観。こういう変化も里山の面白味になる。

ほとんどの場合誰にも知られずに土に帰る虫たち。コケに埋もれ静かに眠るゴマダラカミキリ

足元にきをつけていると意外といきものとの出会いが多いもの。
本州で生息するトカゲで、名前に「トカゲ」と付くのはこのニホントカゲ。

こちらはニホンカナヘビと言う名のトカゲです。ニホントカゲと比べればその違いははっきりします。捕えたのは蝶の幼虫か、こういうシーンに出くわすと複雑な心境ですが、彼らの生きざまから我々はまだまだ学ばなくてはいけないことが多いのでは思う。

まだあどけない顔で体長5cmほどニホンカナヘビの幼生。そっと手を出すと簡単に手に乗ってくる可愛らしさ。

著者プロフィール

森勝彦(もり・かつひこ)

1963年石川県生まれ。立山の大自然とその地で生きる雷鳥に心を奪われライチョウ撮影がライフワークとなる。そののちブナ林にいのちを感じ雑誌に発表する。現在、里山こそいのちの原点であると多角的に撮影中。1997年 写真集「奇跡の鳥ライチョウ」(山と渓谷社・2010年 写真集「雷鳥―神々の使者」(TECS)出版。

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