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Vol.30 ノウサギの冬

2015.2.2

 日本には何種類かのウサギの仲間が生息していますが、ここではニホンノウサギという種類について書きます。ニホンノウサギは地域によって、トウホクノウサギ・キュウシュウノウサギ・サドノウサギ・オキノウサギの4つの亜種に分類されており、その中から私が住む石川県で見られるトウホクノウサギを写真と文で紹介したいと思います。
 トウホクノウサギは東北ではなく日本海側に分布しており、夏の体色は褐色で冬には白くなるのが特徴です。またキュウシュウノウサギは太平洋側に分布しているようで、体色は年中褐色なのが特徴です。しかし、私が住む日本海側に位置する石川県で、積雪期に褐色のウサギが見られたことから、温暖化によるキュウシュウノウサギが北上したのかと思ったのですが、トウホクノウサギでもまれに白化しないものやミュウシュウノウサギでも白化するタイプがいるらしいです。どうやら体色の変化のメカニズムは日照時間が影響しているようで、気温が影響するとの話もあります。
このウサギ、草原地帯から山地までを動き回るため、きわめて里山的動物だと思うのですが、夜行性のため見かける頻度が少ないかもしれません。もし仮に夜行性でなく頻繁に昼間見ることができたなら、人気のかわいい野生動物としてのポイントがぐっと上がるに間違いなしでしょう。
そんな影の人気者の里山のウサギですが、積雪期の山歩きでは非常にたくさんの足跡が見られ、私が里山で行っているセンサーによる動物の無人撮影カメラ「Mr.Robot」にもよくウサギは写り嬉しくなります。足跡を見ただけでもとても気になり、それが新しいとタイミングさえよければ見れたのに残念!といった感じで、追っかけファン心理に近いものがあるかもしれません。

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ノホンノウサギ(日本野兎)の亜種トウホクノウサギは冬季に体色が白くなるが、このように白化しないタイプもいる。日照時間が白化へと刺激させるようであるがこれは低地での個体。気温が影響するとの説もある。

全身雪化粧と言った感じの冬の里山。夜明けの凛とした空気と静寂が神聖な空間を作り上げていた。夜、活発に活動していたであろう獣の気配など全く感じられない静けさがそこにはある。

全身雪化粧と言った感じの冬の里山。夜明けの凛とした空気と静寂が神聖な空間を作り上げていた。
夜、活発に活動していたであろう獣の気配など全く感じられない静けさがそこにはある。

ウサギの走りは大きくJumpした後、最初に左右の前脚を前後に並べて着地をする。次に後ろ脚が前足の着地地点よりも前方に着地する。

ウサギの走りは大きくJumpした後、最初に左右の前脚を前後に並べて着地をする。次に後ろ脚が前足の着地地点よりも前方に着地する。

着地後は体を伸ばしてばねのように遠くに飛ぶ。 この繰り返しだ。

着地後は体を伸ばしてばねのように遠くに飛ぶ。
この繰り返しだ。

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日中、見つけたウサギの足跡から、そんなウサギのJumpを想像してみると
今そこを駆け回っているかのような錯覚を覚えたりもするのが面白い。

これが普通に白化したトウホクノウサギ。やはりこれだと保護色で守られているのがよくわかる。 無人カメラの設置場所が低地であるためか、白化するタイプが少なく思える。となると日照時間以外にも気温が影響しているとも思えてくる。

これが普通に白化したトウホクノウサギ。やはりこれだと保護色で守られているのがよくわかる。
無人カメラの設置場所が低地であるためか、白化するタイプが少なく思える。となると日照時間以外にも気温が影響しているとも思えてくる。

著者プロフィール

森勝彦(もり・かつひこ)

1963年石川県生まれ。立山の大自然とその地で生きる雷鳥に心を奪われライチョウ撮影がライフワークとなる。そののちブナ林にいのちを感じ雑誌に発表する。現在、里山こそいのちの原点であると多角的に撮影中。1997年 写真集「奇跡の鳥ライチョウ」(山と渓谷社・2010年 写真集「雷鳥―神々の使者」(TECS)出版。

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