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Vol.45 春の里山の妖精

2017.4.9

 私がよく出かける里山にはカタクリの群生地があります。コナラ等の林床にちょうど今の時期に咲く花で、多くに人が訪れて賑わっています。
 この場所に通うようになったきっかけはカモシカがよく現れるエリアであり、それが目的でこのエリアをフィールドとして撮影などを行っているのですが、基本的にはそれほど人が訪れる場所ではないのです。夏はたまに昆虫採集の親子を見かけたりする程度で、秋の紅葉が綺麗というエリアでもないのです。そういう静けさがカモシカにもいいのでしょうが、最近はイノシシの被害が顕著で、ところどころ電柵が張られてしまい、カモシカの行動パターンにも変化が出てきて、あまり見られなくなったのは寂しいところです。
 そんな静かな里山エリアですが、この時期になるとどこから人が湧いてくるのかと思うくらい賑わっています。平日でもカタクリの観察や写真撮影のために多くの人が訪れて、週末などは桜の名所並みの賑わいで驚いてしまいます。
 個のカタクリの開花に合わせて、カタクリの花の蜜を求めて飛び交っているのがギフチョウです。カタクリの花の時期も春先の限られた時期にだけ咲くのですが、ギフチョウも同様にこの花の時期にしか見られません。そんな貴重性もあるのでしょうが、ギフチョウの翅の紋様も美しく、また、ひらひらと群れで乱舞する光景も感動してしまいます。そんな魅力がカタクリの花と相まって人々を魅了させているのだと思います。

何とも清楚なたたずまいを見せるカタクリの花。

雑木林の林床に咲く花です。群生する光景がきわめて美しいのですが、写真は咲き始め。一斉に咲き誇るようになると多くの人でごった返すほどの賑わいになります。

ショウジョウバカマ
個人的には好きな春の花。春になると様々な花が咲きだして、殺風景だった雑木林に彩を添えてくれます。

カタクリの蜜を吸うギフチョウ

この紋様が何とも美しい。大自然はアートだなと感じます。

著者プロフィール

森勝彦(もり・かつひこ)

1963年石川県生まれ。立山の大自然とその地で生きる雷鳥に心を奪われライチョウ撮影がライフワークとなる。そののちブナ林にいのちを感じ雑誌に発表する。現在、里山こそいのちの原点であると多角的に撮影中。1997年 写真集「奇跡の鳥ライチョウ」(山と渓谷社・2010年 写真集「雷鳥―神々の使者」(TECS)出版。

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