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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.4 いのちの水田

2012.4.29

4月、桜の時期も終わりを告げる頃、春本番を宣言するかのようにあちらこちらで田植えが始まります。これは日本の風物詩の中でも代表的な光景であり、またわれわれが生きていくうえでも重要な営みであります。そういった事柄がDNAに刻まれているのか、農作業に従事しない私ですら田植えや水田の広がる光景に活力を抱いたり美意識を刺激されたりと敏感に反応してしまいます。

しかし田圃は私たちだけの営みの原点ではなく多くの生き物を育んでいることは誰もが知っているはずです。私の子供の頃は特にタニシやドジョウ、ザリガニなど非常に多くの生きものと田圃で触れ合ったものでした。サギなどの鳥たちもこういった環境に依存して生きています。最近では田圃に生きものたちが少なくなったようにも感じますが、一方ではかつてのそういった環境や価値観の重要性が見直されてきています。

私たちの生活は里山や田圃と言った環境に支えられており、この環境がなくては人も多くの生きものたちも生きてはいけないということが理解され広く浸透してきたことは重要であり嬉しく思います。

石川県能登地方 能登穴水の田植え作業
農作業の朝は早く日の出と共に田植えは始まった。

里山のローカル線と田植え作業という光景に日本の良き原点を感じながら撮影した。

石川県奥能登地方 輪島の棚田
石川の能登地方が昨年、世界農業遺産として認定された。
限界地域ともいわれる能登であるが、これを機に元気を取り戻してほしいもの。

海に隣接する輪島の千枚田
里山里海して広範囲に目を向けることが出来る貴重な存在。

水田は多くの生き物たちのオアシスでもある。
水田の衰退が心配されるが目先のことにとらわれず
多岐にわたる水田の重要性に目を向ける時だと感じる。

著者プロフィール

森勝彦(もり・かつひこ)

1963年石川県生まれ。立山の大自然とその地で生きる雷鳥に心を奪われライチョウ撮影がライフワークとなる。そののちブナ林にいのちを感じ雑誌に発表する。現在、里山こそいのちの原点であると多角的に撮影中。1997年 写真集「奇跡の鳥ライチョウ」(山と渓谷社・2010年 写真集「雷鳥―神々の使者」(TECS)出版。

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