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Vol.5 アカネズミ

2012.6.6

里山の魅力は何と言ってもその生態系の豊かさです。かつて高山帯に通ったことがあった私ですが、それは神の鳥といわれる雷鳥の存在と雄大な山岳景観に魅かれたからでした。ただ、アルペン気分に浸りながらも動物に出会って感動したという記憶はそれほど多くはありません。

そんな私が最近になって頻繁に向かっているのは市街地から車で数分というなんでもない里山です。そのお目当てはネズミです。そもそもネズミに対して良いイメージがなかったわけですが、ふとしたきっかけで出会ったアカネズミは小さくてとてもきれいな色であることに感動し、「ネズミってこんなに可愛いの?」ってことでネズミに対する概念がすっかり変わってしましました。こんなに可愛いのなら広く紹介して世間のネズミに対するイメージをもっと高めたいとも思っており、しばらくはその生きざまを追ってみることになりそうです。

「百聞は一見にしかず」でとにかくご覧ください。見ていて飽きない魅力の持主ですね。ただ私が心動かされているのは単なるアカネズミの存在だけではなく、一歩足を踏み入れれば多くの生きものとの出会いがあり、リアルにいのちの躍動感を感じることが出来る「里山」それ自体なのです。人知れず実に多くの哺乳動物も暮らしているいのちの波動が溢れる森のアカネズミの生き様は、私の中で大きくクローズアップされているのです。

この躍動感と可愛らしさに、これまでのネズミの仲間へのイメージは一変してしまった。

茶色っぽくちいさなのは子ネズミ君。あどけない容姿はどの動物の子供も同じですね。

天敵に狙われやすいのはやはり巣穴周辺でしょうか。一気に巣穴へダイビング。

雨の夜に巣穴から顔を出し、まるで明日の天気を案ずるかの様子が実にかわいい。

里山の杉林と谷を形成するこの一帯は極めて豊かな生態系に包まれている。
入りがたい里山の谷は野生の生きものたちにとっての銀座とも言える場所なのでしょう。

著者プロフィール

森勝彦(もり・かつひこ)

1963年石川県生まれ。立山の大自然とその地で生きる雷鳥に心を奪われライチョウ撮影がライフワークとなる。そののちブナ林にいのちを感じ雑誌に発表する。現在、里山こそいのちの原点であると多角的に撮影中。1997年 写真集「奇跡の鳥ライチョウ」(山と渓谷社・2010年 写真集「雷鳥―神々の使者」(TECS)出版。

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