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Vol.6 ハクビシン

2012.6.21

ハクビシンと聞いてどのような動物かが理解できる人はどれほどいるでしょうか。もともとは日本にはいなかった動物のようで何らかの理由で日本に入り野生化したらしいのです。ジャコウネコ科で夜行性の肉食獣とのことらしいのですが私自身も見た事がありませんでした。

里山は意外と様々な動物たちが暮らしているのですがその存在自体が知られていなく、考える機会もあまりないのではないでしょうか。動物といえば農地を荒らすと思われがちですが、そうなる原因もあるのではないかと実感する事が多くなってきました。

私が最近野生動物を撮影するフィールドがあるのですが、景観としても素晴らしく非常に豊かな生態系も見られます。このエリアで私は動物の巣穴を見つけました。こう書くといかにも里山保全が進んだエリアと思われがちですが、現実はその逆です。周囲は我々の生活の延長戦で繰り広げられる工事で包囲されているともいえる地帯なのです。巣穴のすぐ横では重機が日々往来していますのできっともぬけの殻と思いました。かつては沢の流れる音と風の音しか聞こえなかった豊かな場所は変わり果ててしまったのです。

しかし豊かすぎる環境であるが故の現実に胸が痛くなる中、ハクビシンがいることがわかりました。そしてそのハクビシンはあの見つけた巣穴の主だったのでした。意外性と安堵感で複雑な心境ですが、このハクビシンはいきものと里山と人間とのかかわりに警告をもたらしているのではと感じる次第です。

胴長50-70cm尾長50-60-cmの大きさで頭から鼻にかけての白いラインが名前ハクビシン(白鼻芯)の由来。

ちいさな谷川をジャンプして走り去った。このけもの道はカモシカも頻繁に利用するメインルートのような存在。この一帯は非常に豊かな環境で私自身も癒される。

巣穴から出てきたところでハクビシンの巣穴と判明した。
この巣のすぐ後ろは重機が往来しおだやかではいられないだろうと察する。

私が通うフィールドは極めて豊かな環境だけに開発が進む現実に直面して様々な思いが交差する。

著者プロフィール

森勝彦(もり・かつひこ)

1963年石川県生まれ。立山の大自然とその地で生きる雷鳥に心を奪われライチョウ撮影がライフワークとなる。そののちブナ林にいのちを感じ雑誌に発表する。現在、里山こそいのちの原点であると多角的に撮影中。1997年 写真集「奇跡の鳥ライチョウ」(山と渓谷社・2010年 写真集「雷鳥―神々の使者」(TECS)出版。

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