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マレーに首ったけ Vol.25 「いってらっしゃい、ハニイ!」

2013.11.12

 みなさん、お久しぶりです。長い間お休みをいただいていました。そして、休んでいる間に大きな出来事がありました。もうHP等でお知らせしていますが、10月1日にとうとうハニイが旅立ちの日を迎えました。行き先は「人気もの集マレー」コーナーでも紹介したことのある鹿児島市の平川動物公園です。もちろん、私の大好きな動物園です。ということで、”さようなら”ではなく”いってらっしゃい”にしました。

 のいちでも本当に人気ものだったハニイが生まれたのは一昨年の8月21日。生年月日の語呂とハチミツ大好きのハニーベアーから名付けられた「ハニイ」。正直最初は違和感ありありの名前でしたけど、ハニーではなくハニイ(タオチイ、ワンピイとセットです)なこと、本当に仕草が可愛いことから、あっというまに浸透しました。

小さいころから、とにかく2足立ちが得意でした。

お母さんと一緒に食べるヤマモモが大好きでした。


それでは、記録画像と共にハニイの旅立ちを振り返ってみたいと思います。

 1週間前から母親タオチイとの夜間分離訓練を開始し、当日はタオチイは外の展示場へ移し、ワンピイの寝室には目隠しをして見えないように配慮します。
 そして、いよいよ輸送ケージへの収容作業が始まります。

シュート内で麻酔を注入し、効いているのを確認してから慎重に引き上げます。

 このときの体重がなんと77.6kg!見た目も完全にお母さんより1回りくらい大きかったので覚悟はしていたのですが...。タオチイは子どもの食べ物を絶対に奪いません。それで、母子で暮らす時間の長さに比例して子どもの体も大きくなってしまいます。特にメスの場合は期間が長くなる傾向にあるので要注意です。もちろん飼育担当者も、ある程度の時期を過ぎたら母子別々に給餌するなど、気を付けて管理しているんですけどねー。

さて無事に引き上げたら、次は測定と健康チェックです。

前足は異常なし、ツメもきれい。

歯も異常なーし


記念の足拓もしっかり採りました。


そして輸送箱の中でのいち最後の夜を過ごし、翌日の早朝に出発です。間にフェリーを挟み、高知-鹿児島間は10時間以上の長旅となります。

ヤマモモの次に大好きな”新高梨”が担当者から運転手さんにたくさん託されました。

最後に記念撮影。


いってらっしゃい、ハニイ!

両親似のとぼけ顔と、ゆったりした性格が特徴だったハニイ、きっと南九州でも人気者となることでしょう。


ハニイは6頭目の子どもで、国内の動物園への旅立ちということもあり、飼育スタッフも子どもを送り出すことにはだいぶ馴れてきましたが、出発後の数日間、わが子を必死捜し続けるタオチイの姿は、何度見てもやはりグッと来るものがあります。
 ま、そのつらさも、久しぶりにタオチイと同居できるよろこびにはしゃぐワンピイの姿を見て、かなり癒されるのですが..。
 タオチイ&ワンピイももう19歳。これから先のことは分かりませんが、この日本一の仲良しマレー夫婦のことですから、きっとまだまだ明るい話題を提供してくれることでしょう。

最後に、ここ最近ちょっと油断していましたが、これからもマレー大使としての使命を忘れずにがんばっていきますので、また「マレーに首ったけ」の応援よろしくお願いします!

著者プロフィール

本田祐介(ほんだ・ゆうすけ)

高知県立のいち動物公園 飼育課長補佐
学芸員

熊本県出身
1991年 宮崎大学大学院農学研究科修士課程 卒業
小学生の頃に何度も読んだ、少年ジャンプ連載「ぼくの動物園日記」(飯森広一・作)に多大な影響を受けてこの業界へ。
1991年 高知県立のいち動物公園の開園時より初代飼育スタッフとして勤務。
その後マレーグマ、オオアリクイ、アミメキリンなど様々な動物種を担当。
2010年~種保存委員会・マレーグマ種別調整者に。

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