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Vol.45 「今回だけはクマに会いたくない」

2016.8.19

 さて、今回はいつもと趣向を変えてフィールドレポートをお届けしたいと思います。とは言えそう簡単に現地に行けるはずはなく、四国の高知にある三嶺という山周辺の話です。えっ、なぜ!?というみなさんのお気持ちも十分わかりますが、三嶺の熊、サンレイノクマ、サンレーグマ、マレーグマ!という感じで..何とか (^^;)
 実はこの私、学生時代には探検部というサークルに所属し、けっこうあちこち出かけていたのですが、恥ずかしながら今回の軽登山が社会人になって初めてのアウトドア活動かもしれません。確かにどう考えても釣り以外で自然に入ることはほぼ無かったような!?
 更に、この業界で26年間働いて気付いたことがあります!それは「優秀な飼育係ほどフィールドへの造詣が深く、良いカメラを所有して撮影技術も高い」、これです。はい、もうバレてるとは思いますが、私は2つとも...(>_<)

 あまり引っ張るのもアレですので、結論から先に言いますと「安心してください、クマはいませんから」ということになりましたが、もちろんクマを探すのが目的ではなく、シカの食害による被害状況の確認(調査ではありません)に行ってきた次第です。
 それでもいざ山に入ろうとすると

おっといきなりの注意書きが!

おっといきなりの注意書きが!

その他にもこんなやわらかい感じから

その他にもこんなやわらかい感じから

リアル感たっぷり、

リアル感たっぷり、

さらに別のリアル感があるやつとかあって

さらに別のリアル感があるやつとかあって

いやがおうにも緊張は高まっていきます。ご存じとは思いますが、ここで言うクマとはツキノワグマのことで、四国では今回の三嶺~徳島県の剣山系に多く生息しているとされています。比較的小型の種ですが、マレーグマよりはかなり大きいので遭遇時の危険度はかなり高くなります。もちろん、マレーグマも出会えば危険なことには変わりありませんが。

(※この原稿を書いている途中に東日本では痛ましい事故も発生しています。本当にみなさん、彼らの生息地に入られるときはご注意ください。)

表皮を一周食べられると、どんな大木でもやられてしまいます。

表皮を一周食べられると、どんな大木でもやられてしまいます。

 さて今回の調査、ではなく下見の結果はここのテーマとは異なるので詳しくは触れませんが、この辺りの原生林はかなり危機的な状況のようです。私たちも地元の動物園としてこれから何らかの貢献をしていかなければ、と強く感じた次第です。

著者プロフィール

本田祐介(ほんだ・ゆうすけ)

高知県立のいち動物公園 飼育課長補佐
学芸員

熊本県出身
1991年 宮崎大学大学院農学研究科修士課程 卒業
小学生の頃に何度も読んだ、少年ジャンプ連載「ぼくの動物園日記」(飯森広一・作)に多大な影響を受けてこの業界へ。
1991年 高知県立のいち動物公園の開園時より初代飼育スタッフとして勤務。
その後マレーグマ、オオアリクイ、アミメキリンなど様々な動物種を担当。
2010年~種保存委員会・マレーグマ種別調整者に。

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