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マレーに首ったけ Vol.4 『人気者集マレー! とべ動物園編』

2011.10.2

ようやく2回目を迎えた「人気者集マレー!」コーナー、今回はお隣愛媛県の砥部町にある『とべ動物園』編です。

中四国でも最大級の動物園です。

ここにいるマレーグマは『シャイン』という名前の3歳の♂です。そうです、のいちのワンピイ&タオチイの5番目の子どもで、今年の3月に当園から旅立って行ったばかりなのです。初めての屋外施設で元気にしているか、おいしい愛媛ミカンを食べているか、と近況を知りたいと思い、移動後初めて会いに行ってきました。

この日は木のみならず檻にも登っていました。

残念ながら現在とべ動物園にいるマレーグマはこのシャイン1頭だけになります。もともとは「サンチャン」という♂がいたのですが、何とシャインが到着して数日後に死亡してしまいました。とべ動物園スタッフの方も「自分の代わりが来たので安心して旅立ったみたい」とコメントされていました。当のシャインはそんなことを知ってか知らずか、十分にサンチャンの代わりを務めて元気に木登りをしている毎日だそうです。久しぶりに会うことができましたが、両親譲りの胸のマークがやっぱりきれいでしたね。

表示は比較的シンプルにまとめられています。

ちょっとだけ残念だったのは「新しく来た仲間です」みたいな表示が一切なかったことです。さらに言わせていただくと「シャイン」という立派な名前があるので、これも紹介してもらえるとありがたいですねぇ。でも、実はこのとべ動物園は約20年前、私がまだ新人飼育係だった頃に長期間の研修で大変お世話になったところなのです。ということで、今になってもここの優秀なスタッフのみなさんには、とてもとても頭が上がりません。まあ、シャインはとっても元気だったので良しとしましょう。

動物センターでは頭骨標本も見ることができます。

さて、このマレーグマ展示場は「ベアストリート」と名付けられた一角にあり、その名の通りヒマラヤグマなど5種類のクマが比較展示されています。のいちではマレーグマのみを飼育していますが、毎日近くで接していると十分な迫力を感じます。でもこのように異なる種のクマと並べて観察していると、本当にマレーグマが最小の種であることを再認識させられました。最近は動物の展示区分を地理や気候を基準にしていることが多いですが、こういった同種での比較展示の魅力を改めて感じることが出来ました。正直言ってヒグマなど、「あんなのが日本にいるなんて!」って今更ながら驚いてしまいます。 ちなみにマレーグマの隣はあの有名なホッキョクグマ「ピース」の展示場で、さすがにこちらはかなりにぎやかな感じになっていました。

今でもピースは大人気のようです。

これからのとべ動物園におけるマレーグマ界が、このシャインを中心として築かれていくのは間違いありません。そのためには、まずシャインの配偶者を捜さなくてはいけません。もちろんとべ動物園さんも探されているでしょうが、私も調整者として早くシャインにぴったりな良い血統のメスを紹介してあげたいなあと思っています。

このようにシャイン&ピースというクマ界の二大人気者(?)に会うことができる愛媛県立とべ動物園、ぜひ一度訪れてみて下さい。

著者プロフィール

本田祐介(ほんだ・ゆうすけ)

高知県立のいち動物公園 飼育課長補佐
学芸員

熊本県出身
1991年 宮崎大学大学院農学研究科修士課程 卒業
小学生の頃に何度も読んだ、少年ジャンプ連載「ぼくの動物園日記」(飯森広一・作)に多大な影響を受けてこの業界へ。
1991年 高知県立のいち動物公園の開園時より初代飼育スタッフとして勤務。
その後マレーグマ、オオアリクイ、アミメキリンなど様々な動物種を担当。
2010年~種保存委員会・マレーグマ種別調整者に。

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