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マレーに首ったけ Vol.9

2012.3.9

今回は再びのいちの話題に戻って、Vol.6でお伝えしたワンピイ&タオチイの6番目の子どものその後についてご報告したいと思います。

6番目の大事な大事な女の子です。

あの子ももう6ヶ月齢を過ぎるまでに成長しました。最も気になる性別ですが、担当者の慎重な判断により”メス”と判明しました。のいちではまだ2例目の貴重なメスです。

園長より認定証が送られました。

これまでは名前が決まっていなかったのでここでも紹介しにくかったのですが、一般公募の結果、応募総数521通の中から「ハニイ」に決定しました。女の子らしくてとてもカワイイ名前を付けてもらったとよろこんでいたところ、なんと命名者も17歳のかわいらしい女子高校生でした。昨年の12月18日に命名式を行い、認定証や花束、そしてここでもご紹介したぬいぐるみを贈呈しました。当日は年の瀬も近いというのにたくさんの人たちに集まっていただき、命名式には珍しい(?)ほどのにぎわいとなりました。いよいよマレーグマ人気もここまで来たか、と感動したのですが、実際のところはどうなんでしょう?

ついにマレーグマの時代到来!?。

名前の由来についてはもうお分かりかもしれませんが、誕生日の数字を並べて”821”、それを読んで”ハニイ”となっています。それに、甘いハチミツが大好きなマレーグマの名前にピッタリですよね。でもハニーではなくハニイなとこがポイントなんです。

おいしそうでしょう?クマ用スペシャルケーキです。

そして無事に4ヶ月齢を迎えた12月23日にはクリスマス企画として、ケーキをプレゼントしました。もちろん市販されているものではなく、クマ用ペレットでできた生地の上にヨーグルトを塗ってイチゴやオレンジをキレイに並べた、まさにスペシャルと呼ぶにふさわしい飼育係特製のケーキです。

以前タオチイ&ワンピイで同じ企画をやった時には、ものすごい大ゲンカになってしまったのですが、タオチイは我が子とは決して食べ物で争わない性分なので、ハニイはゆっくりと落ち着いて食べることができました。そうやっておいしところは譲って、生地のみになったケーキをタオチイはぼそぼそと食べていました。やっぱりイイお母さんです。

ここからがタオチイの出番です。

さてさて、最近のハニイですが、当面の目標は”展示場にある大きな擬木に登ること”のようです。毎日毎日コツコツと欠かさずに練習していた成果でしょうか、なんと195日齢にしてもう最初の枝まで到達することができました。これまでの正確な記録は残っていないのですが、他の子どもと比べてかなり早い上達であることは間違いありません。

ただし、残念ながら降りることはまだ完全ではないようで、いつも登っては困ってしまい「お母さ~ん、助けて~」という感じで鳴いています。こうなるとすぐにタオチイが来て優しく咥えておろしてあげるのですが、ただ高さが2.1mもあるので十分届くには至らず、つい先日はタイミングが狂って、そのままビターンという感じで床面まで落ちてしまいました。ちょうどジャイアント馬場さんの頭の上から落ちたようなものなので我々も心配したのですが、さすが野生動物です。ハニイに全くダメージはなく、タオチイもちょっと臭いを嗅いだだけですぐに離れて行きました。このシーン、実は動画撮影に成功しているので、機会があればどこかで公開したいと思っています。

現在の最高到達点です。頂上までもう少し!

こうやって木登りの練習をしていないときでも、水遊びをしたり、二本足でうろうろ歩いてみたり、転んだりと本当に静止することなく動き続けている印象のハニイです。見慣れているつもりの我々でもついつい見とれてしまうほどの魅力があります。

手前味噌だと思われるかもしれませんが、ぜひ一度ご自身の目で確かめてみて下さい。

今のハニイ、本当にオススメです。

「お母さん助けて~」「ハイハイ」

著者プロフィール

本田祐介(ほんだ・ゆうすけ)

高知県立のいち動物公園 飼育課長補佐
学芸員

熊本県出身
1991年 宮崎大学大学院農学研究科修士課程 卒業
小学生の頃に何度も読んだ、少年ジャンプ連載「ぼくの動物園日記」(飯森広一・作)に多大な影響を受けてこの業界へ。
1991年 高知県立のいち動物公園の開園時より初代飼育スタッフとして勤務。
その後マレーグマ、オオアリクイ、アミメキリンなど様々な動物種を担当。
2010年~種保存委員会・マレーグマ種別調整者に。

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