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Vol.45 カギノテクラゲ

2017.2.6

 

 九十九島周辺では毎年、春に出現します。傘径が1~2cm程度の小型のクラゲで傘縁に約100本の触手と同数の平衡胞があります。各触手には1つの付着細胞があり、その部分から先が曲がることからこの名前が付いたといわれています。この付着細胞で海草などにくっついて生活し、あまり泳ぐことはありません。

 

 

 九十九島ではアマモの生えているアマモ場で確認できます。このクラゲを採集するときは、水族館の調査船でアマモ場に向かい、素潜りで採集をします。両手に2本の目の細かい網を持って、アマモが生えている海底まで潜り、アマモの表面をこすりとるように動かしながら泳ぎます。浮上したら、網は船上で待機している職員に渡し、受け取った職員は網の中の採集物を海水が入ったバケツの中で洗い落とします。この作業を約30分間、何回も繰り返し行います。採集物を入れたバケツの中にはアマモの切れ端や他の生物が混じっているので、バケツを水族館に持ち帰り、その中からクラゲだけを選別します。

 

 

 カギノテクラゲは毒が強く、刺されると大変危険です。このクラゲの餌として小型個体にはアルテミア幼生を与えていますが、大型個体にはオキアミのミンチや小型の魚を与えています。水族館では水槽内に石やアマモの擬海草を入れてできる限り自然に近い環境で展示をするように心がけています。

 

著者プロフィール

秋山 仁 (あきやま・ひさし)

1968年生まれ 岡山県出身 
平成18年から 西海国立公園九十九島水族館に勤務しています。
子供のころから、色々な生物を採集して飼育していました。
クラゲは水族館に就職するまでは全く興味がありませんでしたが、水族館での初めての担当生物がクラゲで、飼育に取り組み始めてから、その魅力に取りつかれました。

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