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Vol.68 スギウラヤクチクラゲ

2019.2.9

 九十九島周辺では毎年、春に出現する傘径が7㎜程度の小型のクラゲです。口柄が複数あり、和名の由来となっています。傘縁には多くの触手があります。触手間には平衡胞があり、各一個の平衡石を含みます。このクラゲは体を分裂させて無性生殖を行います。

 

 

 水族館ではスギウラヤクチクラゲの繁殖を行っています。ポリプは水温15℃で管理し、毎日、アルテミア幼生を与えています。この管理方法でポリプから幼クラゲが次々とでてきます。クラゲの飼育水温は15~20℃で、アルテミア幼生を与えると傘径が7㎜程度まで成長します。ただ、このクラゲは体を分裂させて増えるため、1年程度は新しい個体を追加しなくても個体数が急に減ることはありません。

 

 

 九十九島周辺では今までの調査で夏にスギウラヤクチクラゲに良く似たクラゲが確認されています。口柄が複数ある点は本種に大変良く似ていますが、放射管と複数の口が楕円形の傘の長径に一列に並んでいます。また、より小形で、触手が少ないなどの違いがあります。現時点では種類の確定ができていませんが、将来的に調査を進めてこのクラゲとスギウラヤクチクラゲの関係を解明していきたいと思っています。

著者プロフィール

秋山 仁 (あきやま・ひさし)

1968年生まれ 岡山県出身 
平成18年から 西海国立公園九十九島水族館に勤務しています。
子供のころから、色々な生物を採集して飼育していました。
クラゲは水族館に就職するまでは全く興味がありませんでしたが、水族館での初めての担当生物がクラゲで、飼育に取り組み始めてから、その魅力に取りつかれました。

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