日本全国の動物園と水族館をつなぐ情報誌、「どうぶつのくに」「どうぶつえんとすいぞくかん」公式Webサイト

どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.54 キヨヒメクラゲ

2017.12.2

 九十九島周辺では冬から春に出現します。ほぼ毎年、確認できますが、年によっては多数出現することがあります。キヨヒメクラゲは1939年~1940年に和歌山県で採集された個体をもとに1940年に新種のクラゲとして記載されました。その後、2008年に九十九島周辺で複数個体が採集できました。体は扁平で、体の先端には特徴的な三角形の突起があり、袖状突起内の水管は複雑に屈曲しています。九十九島で採集した最大個体は三角状突起から口までの長さが8.8㎝、最大幅は9.9㎝です。

 

 

 水族館ではこのクラゲの長期飼育に取り組んでいます。このクラゲは体が非常に脆弱で少しの刺激でも体が崩れてしまいます。水族館で初めて飼育をした時は、数日で体が崩れ死んでしまいましたが、1個体のみの単独飼育や水温、水流を微妙に調整するなど、様々な実験を繰り返した結果、518日の長期飼育が可能となりました。これからも様々な飼育実験を続け、さらに長期展示できるように飼育方法の確立に取り組んでいきたいと思っています。

 

 

 九十九島で採集されたキヨヒメクラゲは1940年に新種記載されたキヨヒメクラゲと酷似していますが、体の細部の特徴が異なる部分があります。これからもこのクラゲの様々なデータを蓄積し、将来の研究に役立てたいと思っています。

著者プロフィール

秋山 仁 (あきやま・ひさし)

1968年生まれ 岡山県出身 
平成18年から 西海国立公園九十九島水族館に勤務しています。
子供のころから、色々な生物を採集して飼育していました。
クラゲは水族館に就職するまでは全く興味がありませんでしたが、水族館での初めての担当生物がクラゲで、飼育に取り組み始めてから、その魅力に取りつかれました。

カテゴリー

カテゴリー一覧

このカテゴリーの他の記事

ページTOPへ

Copyrights © 2010 Doubutu-no-kuni All Rights Reserved.
誌面、Webにおけるあらゆるコンテンツの無断複写・転載を禁じます。