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Vol.77 ツヅミクラゲ

2019.11.6

九十九島周辺では春に見られるクラゲです。ほぼ毎年、確認できますが、大量に出現することはありません。傘の直径が3cm程度の小型のクラゲで、海で漂っている時は美しい薄い紫色をしています。触手は5本で、傘の縁からではなく、外傘の中間部分から伸長しており、触手間に2個の胃盲嚢と数個の平衡胞があります。外洋性のクラゲで付着するポリプ世代はありません。このクラゲの形が楽器の鼓に似ていることからこの和名がつけられたといわれています。

 

 

このクラゲは他のクラゲと比較して、体がやや丈夫で、良好な状態で水族館に持ち帰ることができます。しかし飼育は大変難しく、短期間で状態が悪化してしまいます。餌としてアルテミアや冷凍コペポーダを与えていますが、ほぼ食べません。他のクラゲを食べるといわれていますが、今のところ当館では試したことがありません。また、採集時は体色が大変美しい紫色をしているのですが、水槽に入れて観察すると、無色になってしまいます。

 

 

付着するポリプ世代がないことから、水族館での繁殖も困難で、採集できた時だけの一時的な展示となっています。しかし形が変わっており、初めて見る人も多いせいか、短期間でも展示をするとお客様に大変喜ばれるクラゲです。

著者プロフィール

秋山 仁 (あきやま・ひさし)

1968年生まれ 岡山県出身 
平成18年から 西海国立公園九十九島水族館に勤務しています。
子供のころから、色々な生物を採集して飼育していました。
クラゲは水族館に就職するまでは全く興味がありませんでしたが、水族館での初めての担当生物がクラゲで、飼育に取り組み始めてから、その魅力に取りつかれました。

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