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Vol.76 ツクシクラゲ

2019.10.6

 九十九島周辺では春に見られるクラゲです。ほぼ毎年、確認できますが、大量に出現することはありません。一個体の生物のように見えますが、色々な役割を持った個虫が集まり複雑な群体を形成しています。多くの透明な泳鐘を拍動させてゆっくり泳ぎます。泳鐘部の先端には気胞体が確認できます。

 

 

このクラゲは大変体が崩れやすいため、採集するときは柄杓を使い、海水と一緒に丁寧にすくいます。クラゲを採集容器の中に入れた後は空気を入れないように、しっかりふたをします。空気が少しでも容器内に残っていると、クラゲの体が崩れてしまいます。

 

 

しかし、そのように丁寧に水族館に運んでも、水槽に入れると短期間で各個虫がバラバラになるため、長期飼育が大変困難なクラゲです。また、ポリプ世代がないことから、水族館での繁殖も困難で、一時的な展示となっています。しかしガラス細工のように大変美しく、初めて見る人も多いせいか、短期間でも展示をするとお客様に大変喜ばれるクラゲです。

 

著者プロフィール

秋山 仁 (あきやま・ひさし)

1968年生まれ 岡山県出身 
平成18年から 西海国立公園九十九島水族館に勤務しています。
子供のころから、色々な生物を採集して飼育していました。
クラゲは水族館に就職するまでは全く興味がありませんでしたが、水族館での初めての担当生物がクラゲで、飼育に取り組み始めてから、その魅力に取りつかれました。

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