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Vol.11 マンボウ飼育の二大ポイント

2014.1.3

 冬本番です!下関は一度だけ雪が一瞬ちらつきましたが、皆さんがお住まいの地域はいかがですか?
さて、今回はマンボウ飼育についての二大ポイントのご紹介です。今でこそ様々な魚と一緒に泳ぐマンボウを目にする機会が増えましたが、少し前までは透明なシートが張られた水槽に一頭で飼育されている事が多い魚でした。この透明なシートが一つ目のポイント。マンボウが水槽の壁に直接ぶつかることを防ぐ役割をしています。マンボウの体表は硬くてざらざらしていますが、ちょっとした「擦れ」にはとても弱く、その「擦れ」から感染症を引き起こしてしまうことがあるのです。海響館ではこの感染症を防ぐために、搬入時には抗生物質を注射し、飼育している上で小さな「擦れ」を見つけたらエサに抗生物質を混ぜて与えています。

抗生物質を注射

 二つ目のポイントは「エサ」です。自然界ではクラゲ、エビ、イカ等を食べているマンボウですが、消化能力が少し低いと言われています。そこで、多くの水族館ではエビやイカ等をミンチ状にして与えていて、海響館でもこれらをフードプロセッサーでミンチ状にし、水分を効率良く補う目的でスポーツドリンクを混ぜています。ほとんどの魚のエサは一日一回ですが、マンボウに一日三回に分けて与えています。こうすることで消化管への負担をなるべく抑えることができるのです。

エサの材料

マンボウ団子

 しかし、この二つのポイントを抑えれば完璧!というわけではなく、他にも照明の強さやエサを増やすタイミング、ダイバーに対する反応など注意するポイントは様々で、それがマンボウ一匹ずつ変わってくる場合もあります。現在展示しているマンボウは、どっしり構えた、とでもいいますか、何事にも動じないように感じます。そして何よりも体長110センチを超える割には小回りが上手い!!「マンボウって泳ぐの下手なんでしょ」とよく言われますが、そう思っている皆さん!!冬休みは是非海響館のマンボウに会いに来て下さいね!!

<写真4.日々大きくなっています>

日々大きくなっています

著者プロフィール

山ノ内祐子(やまのうち・ゆうこ)

1979年千葉県館山市生まれの福島県福島市育ち。夏休みに訪れていた館山の海に魅了され、水産学部へ進学。カエルウオを追ったり鯨類の勉強をする。しものせき水族館入社後は2年半の海獣展示課勤務を経て、現在はマンボウやトラフグ等の大型フグ目魚類、砂泥底の生き物を担当をしている。フグ目魚類の歯と皮の標本作製が趣味?で会社の机の引き出しはそれらでいっぱい…

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