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Vol.64 続々 フグと寄生虫

2018.8.10

 フグと寄生虫の話、まだまだ続きます!今回は、ちょうど1年前頃に更新した記事(Vol.52 海響館ふぐ怪談「フグの腹の中から…」)にて、ケショウフグのお腹から30~40センチほどもある巨大なミミズのような寄生虫が出てきた話をしましたが、その正体が判明したのでご報告します!

ケショウフグ

ケショウフグの腹内から出てきた寄生虫

 目黒寄生虫館の小川館長によると、こちらは線虫の一種「フィロメトラ・ロブスタPhilometra robusta 」のメス個体で、なんと世界でもまだ一例(フィリピンのケショウフグから発見)しか見つかっていない種類とのことです。つまり、今回海響館で見つかったものは、世界で二例目ということになります。他の近い種類の線虫と比べ、かなり体が太く長いことが特徴で、また、ケショウフグからしか見つかってない事から、ケショウフグに特異的に寄生するのではないかとも考えられています。
 どうやってケショウフグに寄生するのか、見つかっているのはメスのみのためオスはどこにいるのかなど、分かっていないこともまだまだ沢山あります。今回得られたフィロメトラ・ロブスタは貴重なサンプルとして、引き続き調査研究を行う予定です。

7/7より開催中の特別企画展「寄生して生きていく虫の話」でも紹介しています!

 今回の件で、水生生物の寄生虫研究という水族館の新たな可能性が見えてきました。これからは、何か新しいことが分かるのではないか?という視点で見ていけたらと思います!

著者プロフィール

笠井未来 (かさい・みく)

1991年東京生まれ。2015年から下関市立しものせき水族館「海響館」の魚類担当として働き始める。都会育ちにもかかわらず、趣味はスノーケリングで、特技は生物採集!大学では魚の繁殖生態の研究で毎日海へ潜り、魚の恋愛模様を覗き見る生活を送る。フグやカエルなど、ぽっちゃりとした生き物をこよなく愛する。

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