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Vol.58 これでもフグなんです

2018.2.11

 前回、フグとは何か?という話で、フグの仲間(フグ目)には10個のグループがあることをご紹介しました。今回はその中でも皆さんが一番「フグっぽくない」と思うであろうグループから2種類を紹介します!

ベニカワムキ

 こちらは「ベニカワムキ」という名前のフグですが、どうでしょう?「言われてみればフグのような」とはなりませんよね?…というのも、このベニカワムキの仲間はフグ目の中で最も原始的なグループであり、マアジなどの典型的な魚の仲間(スズキ目)に近い特徴を持っているんです。ここから進化していく中で、腹ビレが無くなったり、たくさん並んでいた歯がくっついてくちばし状になったりと、フグの仲間に特徴的な姿形になっていきます。
 海響館では漁師さんから時々ベニカワムキが捕れたという情報をもらうことがありますが、深海100m以深にすんでいるため、生きた状態で捕れることは多くありません。また、生きていたとしても状態が悪いことが多く、採集・飼育がとても難しい魚なんです。いつか海響館で、ベニカワムキが元気よく泳いでいる姿を皆さんにお見せしたいと頑張っています!

ギマ

 ベニカワムキに続き、またもやフグらしくない姿をしていますが、こちらの「ギマ」もやっぱりフグの仲間なんです。フグの仲間の多くは、背ビレと臀ビレを使って泳ぐのですが、ギマは尾ビレを使ってビュンビュン泳ぎ回ります。ただし、方向転換はやや苦手なのか、進行方向に網をセットするとそのまま網に入ってしまうことも…。ちなみに、ギマは身の危険を感じると体表から大量の粘液を出すため、網で採集してバケツに入れると、バケツの海水が粘液でネバネバになってしまったこともありました。

各ヒレの棘を立てている姿

 「フグっぽくない」姿のギマ、そんな彼らのチャームポイントは、背ビレと腹ビレの立派な棘!!腹ビレの2本の棘を広げた状態でギマを地面に置くと、体を立たせることができるほどしっかりとしています。ギマは、現在海響館2階の沿岸の生き物水槽にて展示中ですので、ピンっと棘の立った凛々しい姿を是非ご覧ください! ※生物の状態により展示を中止することがあります。ご了承ください。

著者プロフィール

笠井未来 (かさい・みく)

1991年東京生まれ。2015年から下関市立しものせき水族館「海響館」の魚類担当として働き始める。都会育ちにもかかわらず、趣味はスノーケリングで、特技は生物採集!大学では魚の繁殖生態の研究で毎日海へ潜り、魚の恋愛模様を覗き見る生活を送る。フグやカエルなど、ぽっちゃりとした生き物をこよなく愛する。

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