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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.55 膨らむ

2017.11.16

フグと聞いてイメージするのは、膨らんだ姿だという方も多いのではないでしょうか?海響館でも膨らんでいない通常の状態のハリセンボンを見たお客さんが「しぼんでいるとこんな感じなんだ!」と話しているのを、耳にすることがあります。基本的には、敵から襲われたときやびっくりしたときにしか膨らまないので、私たち飼育員でも膨らんだ様子はたまにしか見られないんです。また、フグの仲間全てが膨らむというわけではなく、フグ科とハリセンボン科の仲間のみ膨らむことが出来ます。

左:通常の状態、右下:膨らんでいる状態

 では、どうやって膨らむかというと、口から水を吸い込んで胃に入れた後、胃の出入り口の筋肉を締めることで胃から水が出ないようにします。こうして数分間は膨らんだ状態でいることができますが、この間、エサが食べれないどころか、呼吸をすることもできないため、まさにいざという時の「最終手段」なんです!

フグが膨らむ仕組み

ちなみに、しぼむ時は逆に胃の出入り口を開けて、胃を縮めることで水を出しますが、たまに激しく体(お腹)をひねって水を出していることがあるなど、しぼむのも一苦労です。水槽でこんな様子を見かけたら、あたたかく見守ってあげてください!

コクテンフグ(左下:通常の状態、中央上:しぼんでいる途中、右下:膨らんでいる状態)

著者プロフィール

笠井未来 (かさい・みく)

1991年東京生まれ。2015年から下関市立しものせき水族館「海響館」の魚類担当として働き始める。都会育ちにもかかわらず、趣味はスノーケリングで、特技は生物採集!大学では魚の繁殖生態の研究で毎日海へ潜り、魚の恋愛模様を覗き見る生活を送る。フグやカエルなど、ぽっちゃりとした生き物をこよなく愛する。

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