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Vol.31 マンボウの血液検査

2015.11.14

最近気温も下がり、朝布団から出るのがつらい時期になってきました…(>_<)
海水温も下がり始め、生き物たちも調子を崩しやすい時期となります。そんな生き物たちの健康管理のため、生き物たちも私たちと同じように、血液検査をする事があります。今回は、その「採血」の様子をご紹介したいと思います。
今回採血を行ったのは、「マンボウ」です。

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私たち人間は、注射をする時自分で腕を見せて、病院の先生が針を刺しやすいようにしますよね。実は生き物たちも、検査がしやすいように協力してもらうよう、トレーニングをしています。これができないと、生き物を捕まえて押さえたり、狭い容器に移動したりしないといけません。そうなると、生き物にもスタッフにも負担がかかります。特に大きな生き物になればなるほど、危険を伴う場合があります。
マンボウは、ダイバーが水槽に入り、並んで泳ぎながら採血が出来るようにトレーニングしました。まずはダイバーに慣れるため、水槽に潜る機会を増やして少しずつ距離を縮め、マンボウが落ち着いているときにエサを与えるようにしました。
それを繰り返し、並んで泳ぎながら血管辺りを触っても平気なまでになったところで、実際に獣医師が水槽に入って採血を試みました。

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簡単なようにも見えますが、マンボウの採血できる血管は体の奥深くにあり、体の表面を見てもわかりません。そのため今まで死んでしまったマンボウで解剖するときに見た血管の位置をイメージしながら針を刺していきます。個体によっても多少位置が異なることもあり、数回のチャレンジ後、探り当てることに成功しました!

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少しわかりにくいかもしれませんが、獣医師がもっている注射器の中に血液がとれています。マンボウも暴れることなく、落ち着いた様子です。
このように、落ち着いた状態の血液を検査することで、健康時のマンボウの状態がわかります。そうすることで、体調を崩した時や新しく搬入した時に、健康なマンボウの血液データと比較することができるのです。

病気の時に治療をするのはもちろんですが、早く病気を発見できるよう日々の観察や検査をすることはとても大切なことです。
これからもっといろいろな種類の生き物でトレーニングを行い、生き物たちがより健康に生活できるようにしていきたいと思います!

著者プロフィール

吉田はるか (よしだ・はるか)

1990年横浜生まれ。憧れていた水族館の飼育係になるため、2010年、生まれ育った横浜を旅立ち下関へ。現在は、職場でハリセンボンを担当、家ではヨツユビハリネズミを飼育し、トゲトゲの生き物と毎日触れ合っている。

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