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Vol.65 食べ物の好き嫌い

2018.9.20

 皆さんは「秋」と言えば何を想像しますか?「芸術」「スポーツ」などいろいろあると思いますが、食べるのが大好きな私にとっては、何と言っても「食欲の秋」が一番に思い浮かびます。今回は「食べる」に絡めて海響館にいるフグのエサやりに関するちょっとした苦労についてのお話です。
 今回登場するのは、モンガラカワハギの仲間のインディアントリガーフィッシュ!いつも与えているエサは甘エビとオキアミなのですが、それぞれ見せたときの反応は全然違います。甘エビを見せた時は見向きもしないか少し齧る程度の反応しかしませんが、オキアミを見せると一目散に寄ってきて勢いよく食べていきます。何で区別しているのかはわかりませんが、好き嫌いがはっきり出ていますね。

インディアントリガーフィッシュは甘えびには見向きもしないが…

オキアミをあげると勢い良く食べる。

 好きなエサだからと言ってそればかりあげてしまうと、他のエサを全く食べなくなり、栄養が偏ってしまうことが心配されます。そうならないように、私たちはエサやりを始めた最初の空腹時を狙って、まずあまり好きではないだろう甘エビを見せ、ちゃんと甘エビを食べたらオキアミをあげるなどエサのやり方を工夫しています。…とはいえ、毎日同じようにしていると後に好きなエサがもらえることを学習し、あまり好きではないエサは食べずにこちらをじっと見つめて待つようになることも…。インディアントリガーフィッシュとの心理戦ですね。このように、エサやりをしている水槽裏では、エサを巡るフグたちと飼育スタッフとのにらみ合いが繰り広げられている…かもしれません。

著者プロフィール

笠井未来 (かさい・みく)

1991年東京生まれ。2015年から下関市立しものせき水族館「海響館」の魚類担当として働き始める。都会育ちにもかかわらず、趣味はスノーケリングで、特技は生物採集!大学では魚の繁殖生態の研究で毎日海へ潜り、魚の恋愛模様を覗き見る生活を送る。フグやカエルなど、ぽっちゃりとした生き物をこよなく愛する。

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